自粛要請は法と補償に基づいてやれ

　最近、国や自治体の自粛要請という名の私刑宣言が流行っている。

　まず、自粛「要請」と言葉で言いながら大阪府などで行われている様に店名の公表や名指しの批判を公の機関がするというのは如何なものか。

　ならば、要請ではなく自粛命令にすれば良いのではないか？きちんとした法を設けて罰則規定もきっちりと設ければよい。(急ぎなので事後承認で良いが)勿論、その自粛期間中は休業補償と国民全体に対する給付が必要だが。

　何か罰則を設けるとまずい事があるのか？元々税金というのは国民からのものである。一時的な減税や数カ月に渡る給付、休業補償があって然るべきだ。

　それをこの危機的状況であっても国民を甘やかさないと抜かす財務省、それに乗っかる政治家は何様なのか？

　後、あまり安易な日本人論は説きたく無いが、多くの日本人の心には人様に迷惑をかけるなだとか、お上に迷惑をかけるなという考え方が蔓延っていないか？それ故に皆で一致団結してやってくべきなのに我儘に強請るなと同じ国民に対し思っていないか？

　私が思うにそれは建前に縛られてその実は同胞愛のかけらもなく(人それぞれだとは思うが)、不合理だ。

　詳しく述べる。

　迷惑をかけるなと抜かすならば、誰が休業中に助けてくれるのか？誰が失業中に助けてくれるのか？今、その大好きなお上は何もせず時間だけを浪費している。ならば身を守る為に営業したり、利益に走る事は極めて合理的判断だ。

　補償なく休業すれば倒産が目に見えている。多くの日本人は人に死ぬ事を強いている事を自覚した方が良い。貴方達は普段同胞愛というものがない癖に他者の批判をする時だけ共同体意識を持ち出す。利己主義、個人主義は近代国家において大元であり、補償されていなければならないものだ。

　休業補償等をせず、私刑を行い、刑罰と法に基づかないなど、法治国家、文明国家として恥ずかしい事だ。さもその事が美しい美徳だと感じている人間は自分達が自分達の社会を住みづらくしていると自覚した方が良い。